【平成24年度日本語教育能力検定試験・過去問・正解と解説】⑤

日本語教師になるには、①日本語教育能力検定試験に合格、②日本語教師養成講座420時間、③大学日本語教育課程 主・副専攻修了者のどれか1つが条件よ! 独学で勉強するには「過去問を繰り返し解くこと」が一番大切! 頑張るわよ~!ブヒ~!

ブー子
今日も平成24年度の過去問よ!過去問を繰り返し解きましょう!
パンダくん
うん!最初はチンプンカンプンでも、やってるうちに分かるようになって行くよ!
ウサギ君
うん!専門用語が多いから難しく感じるよね!

 





 

検定試験合格は独学でも十分可能です。しかし、日本語教育能力検定試験は出題範囲が広いため、難易度が高いと言われています。合格するためには適したテキスト過去問を数年分繰り返し解くことが重要です。

推奨されるテキストは「日本語教育能力検定試験完全攻略ガイド」です。業界大手であるヒューマンアカデミーが監修しているため難解な専門用語が丁寧に説明されています。受験者にも人気が高く、表紙の色から「赤本」と呼ばれています。教科書に値する赤本に一通り目を通してから、数年度分の過去問を繰り返し解くことが基本の独学スタイルです。

 

日本語教育能力検定試験完全攻略ガイド

 

過去問とは日本語教育能力検定試験を実施するJEESが発刊する「日本語教育能力検定試験 試験問題」です。部数に限りがあるため過去のもの(平成23・24・25・26年度)は高額になっていますが、現在定価で手に入るもの(平成27年度・28年度・29年度)で試してみても良いかもしれません。両方ともAmazonで購入できます(こちらのページで詳細をまとめました)。

 

平成27年度日本語教育能力検定試験 

試験問題

平成28年度日本語教育能力検定試験 

試験問題

平成29年度日本語教育能力検定試験 

試験問題

 


 

<試験Ⅰ>

(14)3

1、差し戻す→「差す」の意味が薄れています。

取りかかる→「取る」の意味が薄れています。

2、切り開く→いずれの意味も薄れていません。

出回る→「回る」の意味が薄れています。

3、読み切る→「切る」の意味が薄れています。

食べ残す→いずれの意味も薄れていません。

4、分け与える→いずれの意味も薄れていません。

送り届ける→いずれの意味も薄れていません。

したがって、問に当てはまるものは3という事になります。


(15)3

では、造語法をおさらいしてみましょう。

1、混淆(こんこう)=2つ以上の語を合体させ、新たな語になること。

例:「やぶる」+「さく」→「やぶく」、「ゴリラ」+「クジラ」→「ゴジラ」

2、逆成=派生したように見える形から基本形を生みだす現象。

例:「もくろみ」から「もくろむ」を作る。

3、転成=あるものが性質の違った別のものに変わること。

例:「乗り入れる」→「乗り入れ」、「見落とす」→「見落とし」

4、転義=言葉のもとの意味から転じた意味。

したがって、正解は3です。ちなみに他の造語法には以下のものがあります。

語根創造=新たに語を創造すること。

合成=2つ以上の要素を合体させること。

借用=他の言語などから借りてくる方法。

縮約=「天ぷらどんぶり」を「天丼」などにする表現。

文字による造語=「只」から「ロハ」を作るなどの方法。


(16)4

結合前の各動詞のアクセントを保持するとは限りません。

例:「追い越す」=「追う」は同じだが「越す」はアクセントが変わる。

「勝ち抜く」=「勝つ」「抜く」ともにアクセントが変わる。


問題3-E

(17)3

文章内にある「はしごを上る」の「はしご」は「到達点」「着点」「期間」のいずれにも該当しません。「経路」です。他に「経路」を表す「を」には「横断歩道を渡る」「抜け道を通る」などがあります。したがって、正解は3という事になります。


(18)2

1、「は」などの取り立て助詞の前に来ることができるのは「に」です。

例:「キャバクラにはいきません」

取り立て助詞=文中のある要素について、文には書いてない情報を表す助詞のこと。

上記だと「キャバクラ以外の何かには行くかもしれない」という情報を表している。「キャバクラには行きません(でも、ガールズバーへは行きますよ)」

例:私「は」真面目です(真面目ではない人がいることを暗示)。

彼「も」真面目です(他にも真面目な人がいることを暗示)。

2、「の」を伴って名詞を修飾することができるのは「へ」のみです。

例:「天国への片道切符」「自由への道」

3、物理的な移動を伴わない動詞と組み合わせることができるのは「に」のみです。

例「繁華街に住んでいます」

4、方向を表す名詞と組み合わせることができるのは「に」と「へ」です。

例:「北へ行く」「北におススメのキャバクラがある」

したがって、正解は2という事になります。。


(19)4

1、「に」が表しているのは「凧の存在場所」ですが、「主体」は子どもたちです。

2、「に」が表しているのは「存在場所」ではなく「目的地点」です。

3、「に」が表しているのは「存在場所」ではなく「目的地点」です。

4、「に」が表しているのは「主体である弟」の「存在場所」です。

したがって、正解は4という事になります。


(20)3

1、「で」は「健康診断という出来事が起きた場所=病院」であることを表しています。

2、「で」は「表彰式という出来事が起きた場所=警察」であることを表しています。

3、「で」は「遠足という出来事が起きた場所」は学校でなく学校以外のどこか。

4、「で」は「停電という出来事が起きた場所=図書館」であることを表しています。

したがって、正解は3という事になります。

なお、不適切なものを選ぶ問題は太字になっていますが、試験で緊張していると読み違える可能性があります。冷静さを保ちましょう。


問題4

問1 1

教授法は必ず試験に出るのでキッチリ頭の中へ入れておきましょう。なお、各教授法にはキーワードがいくつかあります。例えば本問題の「オーディオ・リンガル法」では「拡張練習」「ミムメム練習」「ミニマルペア練習」「アーミー・メソッド」「構造言語学」「行動心理学」「パターン・プラクティス」「練習が単調になりがち」「コミュニケーションが育ちにくい」などがあります(各教授法のキーワードはコチラから《教授法》)。

選択肢1のジグソー練習とは、学習者のペアに、細部が異なっていたり情報が虫食い状態になっている絵や文を配り、 互いの情報差を話し合いによって埋めていく応用練習のことです。したがって、正解は1という事になります。

 

拡張練習=(基本文)読みました→(教師の与えるキュー)本を→

(学習者の発話)本を読みました→(教師の与えるキュー)図書館→

(学習者の発話)図書館で本を読みました

……のように、徐々に文を長くしていく練習で、オーディオリンガル・メソッドのパターン・プラクティスの一つで拡大練習ともいいます。

ミムメム練習=モデル会話をベースに、教師主導で文型を模倣させ記憶させる練習で、模倣反復記憶法ともいいます。オーディオリンガル・メソッドの要素の1つです。

ミニマルペア練習=「酒/sake/」「竹/take/」のように、1カ所の音素の違いによって、意味の区別があるミニマルペアを使って音の違いに集中させる発音練習のことです。これもオーディオリンガル・メソッドの1つの要素です。


問2 3

コミュニカティブ・アプローチでは、実際のコミュニケーションにあるインフォメーション・ギャップ(情報差)、チョイス(選択権)、フィードバック(反応)が、教室活動でも備わっているべきであると考えるので、正解は3となります。過去にカタカナで出題されることも、()内の漢字で出題されることもあったので、両方覚えましょう。

インフォメーション・ギャップ=話し手の情報差。

チョイス=何をどう言うかは話し手が自由に選べること。

フィードバック=自分の発話に対し、相手から反応が得られ、相手の出方によって自分の発話を調整することが可能な状態であること。

*インターアクションとは言語ないし非言語的なやりとりのこと。

*リアクションとは反応のこと。


問3 2

文法訳読法とは、19世紀半ばから20世紀半ばにかけて主流となった外国語教授法で、特定の提唱者や基板理論はありません。学習目的は読解力の養成であり、辞書を用いて母語訳をします。選択肢を見てみましょう。

1、文法訳読法は学習者数に関係なく行えます。

2、文法訳読法は文法用語を用いて分析的に解読しますが、学習者の学習スタイルによって効果が異なります。場独立に属する学習者には形式忠臣の文法訳読法が向いていますが、場異存の学習者は、個々の要素を周囲のものとの関連でとらえようとする傾向があるため、文法訳読法には向かず、コミュニケーションの領域に向いています。

3、文法訳読法は辞書を用いて母語訳するので、比較的早い段階から生の読み物が扱えます。学習者の興味をかきたて、教養を高めることが出来ます。

4,文法訳読法は辞書を使うので母語が確認でき、理解不可能な状況は少なく、学習者は一定の安心感をもつことができます。

したがって、正解は2です。


問4 2

ロシアの精神科医ロザノフが暗示学を理論的基板にして提唱した教授法です。独特の学習感で、潜在意識を用いて行う超学習で得た知識と、顕在意識を用いて行う通常の学習で得た知識が融合することを重視しています。学習者の潜在能力の開発を目的としています。

ウォールピクチャー(壁に掛けた絵)や、クラシック音楽や適切な明るさの照明でリラックスできる環境を作り、授業は「プレセッション、コンサートセッション、ポストセッション」の3部からなります。メインであるコンサートセッションでは、教師がクラシック音楽に乗せてモデル会話を朗読します。利点は学習者がリラックスして参加できることですが、欠点として、設備投資にコストがかかること、教師養成が難しいこと(常に明るく肯定的な態度で学習者に接しなければならない)、高度な朗読技術を求められることがあります。したがって、正解は2という事になります。


問5 3

それぞれの特徴を振り返ってみましょう。

1、ナチュラル・アプローチは、スペイン語教師であるテレルが、幼児の母語習得過程を参考に、応用言語学者クラッシェンのモニター理論を応用して提唱した聴解優先の教授法です。学習よりも習得のほうが優れていると考えています。学習目的・到達目標や使用教材はコミュニカティブ・アプローチと共通しています。指導法は独特で、教師が学習者に適切なインプットを口答で与え、そのあと学習者がリラックスした状態を保つため、簡単な応答練習を行います。

利点:学習者に理解可能な大量のインプットを提供できること。過度の緊張がない。

欠点:教師の発話が多くなりがちで、自立的な発話練習がない。

 

2、TPR(トータル・フィジカル・レスポンス)は、心理学者アッシャーが提唱した聴解優先の教授法で、幼児の母語習得過程を理論的基板としています。ジェスチャーを中心とした身体運動を用いることが特徴です。教師の口答による指示通りに学習者は身体を動かすことによって理解を示します。

利点:聴解力を集中的に伸ばせること、発話のプレッシャーから解放される。

欠点:サイコロジカル・メソッドと同じく、身体を動かすのが幼稚に映るので、学習者によっては抵抗を感じること、動作にかかわらない表現を学習しにくい。

 

3、CLL(コミュニティ・ランゲージ・ラーニング)は、心理学者カランがカウンセリング理論を基盤に提唱した教授法で、カウンセリング・ラーニングとも呼ばれます。教師をカウンセラー、学習者をクライアント、教室を一つのコミュニティとみなします。知識のみならず、情意面の向上を学習目的とし、学習者の全人的な成長が到達目標です。学習の成功に必要な心理的条件として、Security(安心感)、Attention(注意力)、Aggression(積極性)、Retention(定着)、Reflection(振り返り)、Discrimination(識別)の頭文字をとってSARDと呼んでいます。

利点:知りたいことをすぐに教えてもらえる。自由なコミュニケーションが楽しめる。自律的学習が組み込まれている。

欠点:教師の負担が大きい(カウンセリング理論への精通、学習者の全人的な受け入れ、高い指導力が必要)。

 

4、サイレントウェイは、心理学者ガッテーニョが、認知心理学を理論的基板として提唱した教授法です。学習者自らが言語規則を発見することが目的なので、教師はできるだけ沈黙し、サウンド・カラー・チャート(発音を色分け)、ポインター(指示棒)、ロッド(多色で様々な長さの棒)などを使います。

利点:学習者の自律性が尊重されることによって記憶が促進される。発話するのは学習者のみなのでリラックスできる。教師の動きを追わないと理解できないので集中して参加するようになる。

欠点:特殊な教材の使いこなしが必須。少人数に限定。明示的な説明をしないため学習進度が遅くなりがちである。

したがって、正解は3という事になります。

 


 

《目次》

【基本】日本語教育能力検定試験について

【平成23年度日本語教育能力検定試験・過去問・正解・解説】

【平成24年度日本語教育能力検定試験・過去問・正解・解説】

  

【平成25年度日本語教育能力検定試験・過去問・正解・解説】

【平成26年度日本語教育能力検定試験・過去問・正解・解説】

【平成27年度日本語教育能力検定試験・過去問・正解・解説】

【平成28年度日本語教育能力検定試験・過去問・正解・解説】

【平成29年度日本語教育能力検定試験・過去問・正解・解説】

【日本語教育能力検定試験に頻出の用語集・あ行】

【日本語教育能力検定試験に頻出の用語集・か行】

【日本語教育能力検定試験に頻出の用語集・さ行】

【日本語教育能力検定試験に頻出の用語集・た行】

【日本語教育能力検定試験に頻出の用語集・な行】

【日本語教育能力検定試験に頻出の用語集・は行】

【日本語教育能力検定試験に頻出の用語集・ま行】

【日本語教育能力検定試験に頻出の用語集・や行】

【日本語教育能力検定試験に頻出の用語集・ら行】

【日本語教育能力検定試験に頻出の用語集・わ・を・ん】

【日本語教育能力検定試験に頻出の用語集・英数字】

 


 

ブー子
どう?分からないところはある?
パンダくん
うううっ……分からないところの方が多い!
ウサギ君
日頃、当たり前のように使ってる日本語だけど、人に教えるには色々な知識が必要なんだね!

 





ブー子ちゃんの「日本語教育能力検定試験」のコーナー!みんなで憧れの日本語教師を目指そう!

それでは、次回をお楽しみに! ブヒ、ブヒ、ブヒヒ

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